中央競馬の全レース・全出走馬を、2つの機械学習モデルで毎レース採点するデータ分析プロジェクトです。市場(オッズ)だけに頼らず、近走・スピード指数・騎手厩舎の直近成績・血統・調教・馬場/距離適性まで取り込み、「1番人気の非3着内リスク」と「全馬の複勝圏確率」を独立に推定。AI評価と市場人気の乖離を可視化し、競馬をデータで読み解くための研究材料を提供します。2021〜2025年で開発・検証し、2026年のデータはモデルに一切使わない前向き運用です。
ライブ全馬評価
各レースの全馬をAIが採点し、市場人気との乖離を可視化。結果確定後は自動で検証(答え合わせ)。
AIモデルの仕組み
独立した2つの勾配ブースティング(LightGBM)。役割が違うため出力も別々に使う。
1番人気 非3着内リスクモデル
「1番人気が3着以内に入らない確率」を直接推定する。正解ラベルは公式3連複の的中組合せに1番人気が含まれるかで作成。市場情報(混戦度・占有率・オッズ)に、1番人気自身の近走・血統・騎手厩舎・適性を加えた構成が時系列外で最も安定した。
これは市場の過信を検出する分析指標です。高リスク判定のレースで1番人気を外す買い方が有利かは別問題で(2024年までの検証では該当構成すべて非黒字)、本サイトでは購入判断ではなく「市場がどこで過大評価しているか」の観察に用います。
全馬 相対評価モデル(複勝圏)
出走各馬が3着以内に入る確率を推定し、レース内で相対順位(AI順位)を付ける。人気を強さとして直接入力せず、3連複/単勝オッズ・頭数など市場情報を基準に、22項目の馬・騎手・調教情報を加える。
AI上位1頭の複勝率は64.7%(市場1番人気 65.2%)。市場と同等精度の"整理軸"であり、単独で市場を上回るものではない。
後出しを排した検証プロトコル
探索・選択・閾値決定・成績評価を年で分離し、最終年は一度だけ開封。翌年は完全未使用。
相対評価モデルの入力特徴量(全22項目) +定義
| 特徴量 | 定義・意味 |
|---|---|
| 市場情報 | 3連複/単勝の対数オッズ・市場支持率・人気順・頭数(市場の見立てを基準として与える) |
| 過去複勝率 | その馬の過去の3着内率 |
| 近3走平均着順 | 直近3レースの着順平均(調子の代理) |
| 前走着順 | 直前レースの着順 |
| 出走間隔 | 前走からの日数(休養明けの判定) |
| 相対速度指数 | 距離補正した走破タイムのレース内相対位置 |
| 相対獲得賞金 | 累積獲得賞金のレース内相対位置(実績の代理) |
| 馬場適性 | 芝/ダートでの過去複勝率 |
| 距離適性 | 同距離帯での過去複勝率 |
| 騎手90日成績 | 騎乗騎手の直近90日の複勝率 |
| 厩舎90日成績 | 管理厩舎の直近90日の複勝率 |
| 坂路調教(4F/1F) | 直前28日の坂路追い切りの最速タイム |
| 父・母父成績 | 父/母父の産駒の複勝率(血統適性の代理) |
出典 JV-Link(JRA-VAN)。当日以前に確定した情報のみを使用し、当日結果は特徴量に含めない。
検証成績
2025年(モデル凍結後の未使用データ)での実測。数字はすべて後出しなし。
リスク推定は実測とよく一致
2025年をリスク10分位に分け、予測(灰)と実際の非3着内率(金)を比較。予測が高い群ほど実際に非3着内が多く、確率としてそのまま読める。
リスクモデルの特徴量重要度
予測への寄与度(%)。市場構造が主軸だが、馬・騎手・血統情報が上積みしている。重要度は寄与であり因果ではない。
モデル候補の比較(時系列外AUC)
| 候補 | 特徴量 | AUC |
|---|---|---|
| 市場情報のみ | 23 | 0.6488 |
| 市場+1番人気情報 | 38 | 0.6525 |
| 市場+上位6頭 基本 | 173 | 0.6456 |
| 市場+上位6頭 保守型 | 173 | 0.6487 |
| 市場+上位6頭 拡張 | 483 | 0.6514 |
上位6頭全部を入れるより、1番人気自身の情報を足す方が過学習が少なく安定した。
AI vs 市場(2025年 3,455レース)
AIと市場はほぼ互角。だからAI順位は「市場を裏取りする整理軸」として使い、両者が食い違うレースを人が精査する。
前向き実績
開催日ごとに、AI評価と実結果の一致・乖離を記録して積み上げる公正な前向き検証。
当日の検証はライブ評価の各カードと上部サマリに、週末ごとの累積は実績ページにまとまります。凍結オッズ・凍結モデルによる後出しのない記録です。
📊 実績アーカイブを開く読み方・用語集
- 相対評価(相対指数・AI順位)
- レース内で最上位を100とした能力比較。順位はレース内の相対的な強さ。
- 絶対評価(複勝圏)
- その馬が3着以内に入る推定確率。相対指数と違い、レースをまたいで比較できる絶対値。
- 市場過大評価(赤の馬名)
- 市場人気よりAI順位が2ランク以上下、または1番人気で非3着内リスクが高い馬。市場が相対的に買いすぎている可能性を示す観察指標。
- AI高評価(緑の馬名)
- AI順位が市場人気と同等以上で、複勝圏の絶対確率が45%以上の馬。
- 診断(AI高評価/市場過大 等)
- 市場人気とAI順位の差。「AI高評価」=AIが市場より高く見る、「市場過大評価」=市場がAIより高く買っている。
- AI-市場乖離
- 市場人気順位とAI順位の差。乖離が大きい馬・レースは、市場とモデルの見立てが分かれる"研究の起点"。
- 急落/急騰
- 約10分前比で単勝オッズが大きく動いた馬。直前の資金の偏りを示す。
- 情報充足
- その馬に揃った特徴量の割合。低いほど(新馬・出走間隔大など)評価の信頼性が下がる。
- 締切1分前で凍結
- 各レースは発走5分前から70秒毎に更新し、締切1分前のオッズで固定。以降の変動・確定オッズは表示に混ぜない。