ラップ・ペース|速い流れほど荒れる。配当は2.2倍違う
レースの流れが速いか遅いかは、結果の荒れ方をどれだけ変えるのか。公式のラップタイムから前半3ハロンと後半3ハロンの差を計算し、決着の堅さ・配当・脚質の有利不利を測りました。
31.1%超ハイペースの1番人気勝率
37.0%超スローペースの1番人気勝率
32,970円超ハイペースの3連単中央値
15,200円超スローペースの3連単中央値
ペースの測り方
各レースの前半3ハロン合計 − 後半3ハロン合計を求めます。マイナスなら前半のほうが速い=前傾(ハイペース)です。ただしこの生の値は、条件によって水準がまるで違います。
| 馬場 | レース数 | 前半3F − 後半3F の平均 |
|---|---|---|
| ダート | 5,637 | -3.08秒 |
| 芝 | 5,718 | +0.31秒 |
| 距離 | レース数 | 前半3F − 後半3F の平均 |
|---|---|---|
| 〜1400m | 3,946 | -1.88秒 |
| 1401〜1800m | 5,064 | -1.39秒 |
| 1801〜2200m | 1,831 | -0.76秒 |
| 2201〜2600m | 485 | +0.40秒 |
だから生の値では分類できません。 ダートは平均-3.08秒、芝は+0.31秒。
そのまま「マイナスならハイペース」と切ると、ペース区分がほぼ「ダートかどうか」の言い換えになってしまいます。距離でも水準は動きます(短いほど前傾)。
そこでこのページでは、同じ馬場 × 同じ距離帯の中央値からどれだけズレているかでペースを分類しています。「その条件の中で速いか遅いか」を見るためです。
そのまま「マイナスならハイペース」と切ると、ペース区分がほぼ「ダートかどうか」の言い換えになってしまいます。距離でも水準は動きます(短いほど前傾)。
そこでこのページでは、同じ馬場 × 同じ距離帯の中央値からどれだけズレているかでペースを分類しています。「その条件の中で速いか遅いか」を見るためです。
ペース区分ごとの決着
| ペース | レース数 | 1番人気の勝率 | 3連単中央値 | 万馬券率 |
|---|---|---|---|---|
| 超ハイペース | 2,082 | 32,970円 | ||
| ハイペース | 2,031 | 33,730円 | ||
| ミドルペース | 2,669 | 25,850円 | ||
| スローペース | 2,356 | 21,250円 | ||
| 超スローペース | 2,121 | 15,200円 |
きれいに一直線です。 1番人気の勝率は31.1% → 37.0%、3連単の中央値は32,970円 → 15,200円と2.2倍の開き。万馬券率も79.9% → 60.5%。
速い流れは前に行った馬を消耗させ、能力どおりの決着を崩します。逆に遅い流れでは、前の馬が脚を残したまま押し切れるので、力関係がそのまま出ます。「ハイペースは荒れる」は、データで明確に支持されます。
速い流れは前に行った馬を消耗させ、能力どおりの決着を崩します。逆に遅い流れでは、前の馬が脚を残したまま押し切れるので、力関係がそのまま出ます。「ハイペースは荒れる」は、データで明確に支持されます。
芝・ダートそれぞれの中で見ても同じ
ペース区分が馬場の言い換えになっていないことを確かめます。
芝
| ペース | レース数 | 1番人気の勝率 | 3連単中央値 |
|---|---|---|---|
| 超ハイペース | 835 | 40,230円 | |
| ハイペース | 1,169 | 33,480円 | |
| ミドルペース | 1,421 | 26,890円 | |
| スローペース | 1,203 | 18,890円 | |
| 超スローペース | 1,061 | 12,760円 |
ダート
| ペース | レース数 | 1番人気の勝率 | 3連単中央値 |
|---|---|---|---|
| 超ハイペース | 1,247 | 30,600円 | |
| ハイペース | 862 | 34,025円 | |
| ミドルペース | 1,248 | 24,980円 | |
| スローペース | 1,153 | 24,030円 | |
| 超スローペース | 1,060 | 18,010円 |
芝は29.1% → 36.4%、ダートは32.4% → 37.7%。どちらの馬場でも同じ向きに動きます。馬場による見せかけではありません。
ペース × 脚質
| ペース | 逃げ | 先行 | 中団 | 後方 |
|---|---|---|---|---|
| 超ハイペース | 17.0% | 14.1% | 4.8% | 1.4% |
| ハイペース | 14.9% | 12.6% | 5.9% | 1.8% |
| ミドルペース | 17.0% | 13.4% | 5.4% | 1.5% |
| スローペース | 20.3% | 13.8% | 4.7% | 1.5% |
| 超スローペース | 23.6% | 15.0% | 4.0% | 1.2% |
逃げた馬の勝率は超ハイペースで17.0%、超スローペースで23.6%。6.6ポイントの差です。前に行く馬にとって、流れの速さは死活問題だとわかります。一方で後方から進めた馬はどのペースでも1.2〜1.8%と低いままで、ハイペースでも「追い込みが決まる」わけではありません。ハイペースが崩すのは前の馬であって、後ろの馬が強くなるわけではない、ということです。
上がり3ハロンの順位
そのレースで最も速い上がりを使った馬から順に並べた成績です。
| 区分 | 出走 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上がり最速 | 40,960 | ||||
| 上がり2位 | 38,097 | ||||
| 上がり3位 | 36,835 | ||||
| 上がり4〜5位 | 71,266 | ||||
| 上がり6位以下 | 300,882 |
これは事後の情報です。 上がり最速の馬の勝率33.1%、単勝回収率295.6%という数字は、「上がり最速の馬を買えば儲かる」という意味ではありません。レースが終わるまで誰が最速の上がりを使うかは分かりません。
読み取るべきは、決め手の順位がほぼそのまま着順になるという構造のほうです。上がり6位以下だと勝率1.3%、つまり末脚で上位3位に入れない馬はほぼ勝てません。ペースが遅いほどこの傾向は強まります(前が止まらないため)。
読み取るべきは、決め手の順位がほぼそのまま着順になるという構造のほうです。上がり6位以下だと勝率1.3%、つまり末脚で上位3位に入れない馬はほぼ勝てません。ペースが遅いほどこの傾向は強まります(前が止まらないため)。
まとめ
- ペースは馬場と距離で水準が違うので、条件内の中央値からのズレで測る必要がある
- 1番人気の勝率は超ハイ31.1% → 超スロー37.0%、3連単中央値は32,970円 → 15,200円
- 芝・ダートそれぞれの中で見ても同じ向き。馬場による見せかけではない
- 逃げ馬の勝率は17.0%(超ハイ)→ 23.6%(超スロー)
- ハイペースで有利になるのは「後ろの馬」ではなく、単に前の馬が不利になるだけ
- ラップは締切後に確定する情報。予想に使うにはペースを事前に読む必要がある
データについて: JRA-VAN Data Lab. で提供される中央競馬のレースデータをもとに、当サイトが独自に集計したものです。他サイトの集計や予想を転載したものではありません。中止・取消・失格などで着順が確定しなかった出走は集計から除いています。